外国人の逸失利益の算定期間について
名古屋地裁平成22年9月10日判決は,中国籍の被害者の逸失利益について「日本に一時滞在する中国国民であるとして、日本で稼動する期間を五年と想定し、五年後から六七歳までの三六年間は、中国で稼動することを前提に逸失利益を算定すべきである」とする被告の主張を排斥し,「原告がその気であれば、原告が永住者の資格を取得することにそれほど困難があるともうかがわれないのであり、原告がこのまま日本において稼動し続けることのできる蓋然性は高いと認められる。したがって、原告が、日本において、症状固定時の二六歳から六七歳までの四一年間仕事を続けることを前提に逸失利益を算定するのが相当である。」として,日本における収入を基礎として,逸失利益を算定しました。